Published: Jul 13, 2025 by 中島 秀太
第3回CDEF国際会議参加報告
2025/7/13に欅研修了生(2024年度修士課程修了)の中島秀太が,北九州市小倉にて開催された国際会議「3rd International Conference on Computational and Data Sciences in Economics and Finance (CDEF 2025)」に参加しました。
CDEF2025とは
CDEF2025はIIAI(International Institute of Applied Informatics)主催の国際会議「IIAI AAI 2025」の一部として,北九州市小倉で7/13-7/19の7日間の日程にて開催された会議です.
本会議は金融・経済分野の研究者等を対象としており,同分野における自然言語処理や深層学習の応用等への専門的な議論を行う目的で開催されています.
発表までの取り組み
本会議に向けて,2024年秋(在籍時修士2年)頃から研究に取り組み始めました.当初は本会議への発表予定はなく修士論文等の執筆を目的にした研究でしたが,複数会議での発表経験を積めることや最新の研究動向に触れる良い機会であると感じ,参加を決意しました.
原稿の作成はソーシャル・データサイエンス研究科(SDS)を修了した後の2025年3,4月に行いました.欅先生やSDSの共著の先生方のご協力もあり,5月に最終原稿を提出することが出来ました.
6月には3名の査読者による審査が行われましたが,無事発表を行うこととなりました.ただし査読の採否通知をいただく経験は初めてのことだったため,数日前から少しドキドキしており,採否通知を頂いた際にはホッとしたことを覚えています(通知日当日も実際の採否通知のメールが送られてくるのが遅く,US時間基準なのかとヤキモキしていました).
採否通知には査読者の方々のコメントも含まれており,それを参考に微修正し,最終原稿(camera ready)を提出しました.
発表について
その後,7/13(会議初日)の本会議内にて,口頭発表15分+質疑応答5分のオフライン発表(英語)を行いました.
発表タイトルは「Improving Explainability in Stock Return Prediction Using Stock Forum Texts with Independent Component Analysis(株式掲示板テキストを活用したリターン予測における独立成分分析を利用した解釈性の向上)」です.
株価の変動理由の解釈可能性を向上させることを目的とし,テキスト埋め込み表現に対してICA(Independent Component Analysis,独立成分分析)を適用する手法を提案しています.
会議の雰囲気について
本会議は議長,運営委員らが日本人で構成されており,国内会議に近しい雰囲気で開催されていました(発表・質疑応答は英語でしたが,その他会議外でのやりとりは日本語でした).
会場は小倉駅からほど近い場所に位置しており,とてもきれいな海が望める場所でした.
休憩室にはお菓子も置いてあり,小倉ようかんが美味しかったのです.しかし小倉(こくら)と縁があるお菓子ではないはずで….どなたか洒落た運営委員の方が用意してくれたのかもしれないです.
私は数時間のみの参加・滞在となりましたが,充実した時間を過ごすことができる空間でした.
英語について
国際会議に参加する際の懸念点として,「英語で話したり聞いたりすることが不安」という点を挙げる人も多いと思います.
私もその一人で,英語の発表スクリプトはもちろん,想定質疑スクリプトを幾パターンも用意しました.念入りに準備を行うことで,あらゆる事態に備えることも一つの方法だと思います.
ただし,それでも想定外の事態(質問)がやってくることがあると思います.もしくは相手の発言を上手く聞き取れなかったとか….そんなときは困っている顔をして,質問者側に質問を噛み砕いてもらいましょう.基本的に,質問してくれる人は自身の研究に興味を持ってくれている人で,やさしく接してくれます.シンプルな表現に言い換えてもらうことで,円滑なコミュニケーションに繋げることを目指しましょう.
最後に
本発表はおそらく私にとって最後の研究発表の経験になりますが,最後に国際会議の経験を積むことが出来,良かったと感じています.
国際会議の経験を積むことで得られるものは人それぞれ様々だと思います.私の場合,現在の職場・職種(データプランナー)が「英語を使う機会が今後増えることが予想される」,かつ「他者に向けた発表の機会がキャリアと共に増加する」ため,今後の人生に大いに役立つ経験であったと確信しています.
本国際会議での発表にあたり、ご協力・ご支援を賜りました皆様に心より御礼申し上げます。